前回までの復習
今回は負けないためにどうするかを資金管理面から考えていきます。
第3回の内容は理解いただけたでしょうか。
復習しておきましょう。
①人の本能からくる行動はFXトレードにとって厄介
②損をするのがイヤで損切を先延ばしにする行動は本能からくる
③利益がでると早く利確したくなるのも本能からくる
④本能に従ってトレードすると損大利小になりトータルで勝てない
でしたね。
何度思い返してもよいくらい大事なことです。
よく覚えていないという方はもう一度復習しておくことをお勧めします。
宿題はできたでしょうか。
実際に行動して体験するということも大事ですよよね。
今回と次回は、資金管理とメンタル管理についてもう少し具体的にやるべきことをお話していきます。
資金管理で無理しない
FXではビギナーズラックもあり、最初から好成績を出せる勝負強い人もいます。
しかし、ほどんどの人は思うように勝てません。
相場にも上昇、停滞、下降といった環境があり、それぞれの環境でトレード戦略も異なります。
たまたま上昇相場の時にうまく勝てた人も停滞相場になった途端に勝てなくなったりします。
私も初心者の頃はそうでした。
FXを始めたころは、豪ドル円の上昇相場と自分のトレード方法の相性がよくて、10万円を100万円近くまで増やすことができました。
しかし、翌年はなかなか勝てず、前年勝ち分の税金も払って、資金を1/3くらいまで減らしました。
日足、週足レベルが上昇基調であれば、買いエントリーで損切ができなくてもしばらく我慢していたら(人は損失に対する我慢ができる本能が備わっていることを思い出しましょう)、値で戻ってきて、結局のところプラスで利確できることが多くありました。
上昇局面が終わり、レンジ相場になると、そのようにはいきません。
調子に乗ってロットサイズだけ大きくして自滅したのです。
生活資金をつぎ込まないこと
FXを始める人はほとんどすべての人が資金を大きく増やしたいと思っています。
でも最初から安定して勝つことはとても難しいです。
そのため、絶対に生活資金をつぎ込まないことが超重要です。
本来なら貯金に回すお金の一部を、将来のための投資としてトレードするのが良いと思います。
また、たまたま数回うまく勝てたからといって、資金を何倍にも増やしてトレードすることもお勧めできません。
多くの資金をつぎ込んで投入資金のほとんどを無くしてしまった人を何人も知っています。
そこから復活した人もいますけどね。
トレードは確率で勝つことが重要ですが、ギャンブルではありません。
たまたまうまくトレードできても、継続して勝つことは難しく、思い通りにはなりません。
決して無理をしないでください。
持てるお金の器
人には持てる「お金の器」というものがあります。
そのため、急に普段扱っている何倍ものお金を扱うと精神的にも緊張します。
その緊張感は第2回でお話しした本能からくる行動に餌食になりやすいです。
エントリーロット数が大きくなると、利幅も大きくなります。
そのことで恐怖心が生まれ、まだ利を伸ばせる局面でも早々と利確するミスをします。
損失も大きくなりますが、それは耐えることができてしまい、トレードは損大利小となります。
結局は資金を減らすことになりやすいのです。
持てるお金の器は急に大きくできるものではありません。
1000通貨のトレードで1pipsの価格変化は10円です。
10pip動いても100円なので、トレード初心者でもたいして気になりません。
しかし、10万通貨のトレードでは、1pipsの価格変化は1000円です。
10pips動くと1万円なので、トレードに慣れていない人は数秒~数分で1週間の昼ごはん代以上のお金が増えたり、減ったりすることにビビってしまうのです。
1000通貨のトレードからいきなり10万通貨のトレードをする人はほとんどいないと思いますが、5000通貨、1万通貨でもそれなりの心理的影響がでます。
お金の器を大きくするために
では、持てるお金の器を大きくするためには、どうしたらいのでしょうか。
リアルトレードで練習すると自滅してしまいます。
そこでデモトレードで大きめの資金のトレード(例えば10万通貨)を行ってください。
デモで資金がどんなふうに増減するのかを体験するのはよい方法だと思います。
しかし、自分のお金だと思って真剣に取り組むことが大事ですよ。
リアルトレードでも扱う資金はゆっくりと増やして、勝ち負けによる資金の増減に慣れることが大事です。
そして持てる「お金の器」もゆっくり大きくしていきましょう。
負けないための資金管理
そのうえで、
・1トレードあたりの最大損失を限定するため、想定する損切幅に合わせてエントリーするロットサイズを決めること。
・1日の負けが全資金に2%になったらその日のトレードは強制終了すること。
決して負けを取り返そうと思ってはいけません。
2%も負ける日は、
・変動が大きく荒れていて、勝てる優位性がない相場でエントリーしている。
・勝てる優位性を見極められていない。
・決めたエントリールール、損切ルールが守れていない。
・予定外のニュースなどでエントリー方向と反対に大きく振れた。
のいずれかだと思います。
エントリーの判断はあくまでもテクニカルな条件が整う必要があり、下降局面でそろそろ反転して上昇するはずとか、勝手な思い込みをするとズルズル負けます。
下降局面からの反転判断は、ダウ理論の回などで説明します。
その日の負けを認めて、週単位、月単位でプラスにできるよう、負けた原因を確認して、同じ失敗を繰り返さないことが大事です。
損切は資金管理の必要経費と割り切る
損切となった場合は、仕切り直して、ルール通りに次の優位性が来るのを待ちましょう。
ルール通りにやっているつもりでも、検証すると守れていないことはよくあります。
負けた時(できれば勝った時も)検証して記録することは、勝ち組のほとんどの人がやっていると思います。
・複数の通貨ペアを同時にエントリーしない。
2つ以上の通貨ペアのポジションを持って適切に決済することはなかなかたいへんです。
どうしても2つ以上の通貨ペアポジションを持ちたい場合、少なくとも片側のペアは利確指値、損切逆指値の注文を入れておいてください。
相場は急変動する事もあります。
その時に2つ以上のペアのポジションを持っていると、大きな利確を逃したり、損切が間に合わなかったりするので注意が必要なんです。
・チャートを見て利確、損切を行う。
資金の増減をみると感情の影響を受けます。
特に扱う資金が大きくなった時、万単位の資金増減を見るのは心臓に悪いです。
メンタルの影響を受けやすいのでチャートに利確ライン、損切ラインを引いておき、チャートを見て決済するようにしましょう。
あくまでもチャートの形で判断することが重要です。
1000円勝ったら、20pips取ったらなどテクニカルには関係のない数値で判断するのもやめましょう。
ぜひ実践してみてください。
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