今回からダウ理論についてお話していきます。
ダウ理論は多くのFX本で紹介されているのでご存じの方も多いでしょう。
でも実践で認識すること、活用することができていない人は意外と多いと思います。
意外と役立つダウ理論
今回の講座では、ダウ理論を単なる安値切り上げからの高値更新の波ととらえるだけでなく、実践的に活用できるレベルを目指して頂けるように解説していきたいと思います。
ダウ理論は1800年代にダウさんという人が提唱した理論です。
現代でも意識している人が多いために相場に影響します。
ダウ理論を理解していることで相場環境の理解がしやすくなります。
もともとは中長期の相場についての理論なのですが、
FXではたとえ1分足であってもダウ理論に基づく判断が可能です。
ダウ理論の内容
①平均は全ての事象を織り込む
②トレンドには3種類ある
③主要トレンドは3段階ある(先行期、追随期、利食い期)
④平均は相互に確認されなければならない
⑤トレンドは出来高でも確認されなければならない>
⑥トレンドは明確な転換シグナルが発生するまで継続する
となっていますが、FXデイトレードを行うトレーダーが知っておくべきは、太字にした③と⑥になります。
③におけるトレンドの3段階とは
先行期:多くの下落材料を織り込んで安値でもみ合っており、少数の先行者が買う段階
追随期:価格が底値から上昇傾向になり、追随者が買う段階
利食い期:先行者が利食いする段階(初心者が上昇を見て高値つかみする段階)
です。
この3段階はエリオット波動とも結び付けて説明されることが多いですね。
少しわかりにくいかもしれませんが、FXで勝つために知っておいた方が良い知識です。
なのでがんばって理解してください。
エリオット波動とは
ダウ理論が言うこの先行期、追随期、利食い期の相場の波を具体的にわかりやすくしたのが1900年代のエリオットさんです。
その波の考え方がエリオット波動と呼ばれています。
エリオット波動はもともと株式投資についてのもので
上昇5波(推進波)下降3波(修正波)に分かれます。
しかし、FXでは上位足が上昇トレンドの場合、
上昇5波(推進波)下降3波(修正波)、
上位足が下降トレンドの場合、
下降5波(推進波)上昇3波(修正波)
になるイメージの方が良いと思います。
(ある日のドル円15分足)
ただし、実際のチャートでは、上昇にしても下降にしても、
モデルのようなきれいな波にはならず、
各波の境目が分かりづらいことが多いので注意してください。
上の画像はわかりやすい部分を切り出したつもりなのですが、実際にはもっとわかりにくいですね。
エリオット波動の見方
まだ上昇第1波だからリスク高いなとか、そろそろ上昇第3波かなというイメージだけで大丈夫です。
それから波を形成するローソク足の本数ですが、上昇→下降、下降→上昇の波は15~40本くらいになるのが理想です。
10本くらいしかない場合は1つ下の時間足、50本以上ある場合は1つ上の時間足でも波の大きさを確認してみるとよいと思います。
どの時間足でも常にテクニカルが効く波になっていることはありません。
どの時間足の波でわかりやすい波(トレンド)が出ているのか観察することが大事です。
4時間足、1時間足、15分足、5分足のどの波でもダウ理論は使えますが、長期足の方が影響が強くなりますので、ときどき上位足の波の形も確認するようにしてください。
この講座では上昇トレンドで説明しますが、下降トレンドでも同じようなことが言えます。
ダウ理論あるある体験
ある程度トレード経験されている方なら認識されていると思いますが、
相場のトレンドが下降相場から上昇トレンドに転換した最初の方は、
上がりそうと思ったら振出しに戻るみたいな安値確認があったりします。
全体としては上昇なんだけどスカッとは上昇しないことが多いですよね。
下降トレンド終盤から次の上昇トレンドに入って最初の上昇は
多くの場合、戻り売りでつぶされます。
まだ売り方さんの勢力が残っているということですが、
この段階がダウ理論の先行期でエリオット波動の第1波になります。
底値から少し上昇して、直近の下降相場での高値を少し抜けてくると、
急に値動きが軽くなり、上昇勢いが出て、強いトレンドが出やすいですよね。
押しが発生しても前の安値を下回ることは少なく、次の高値更新のためのバネのような働きをします。
この段階がダウ理論の追随期でエリオット波動の第3波になります。
大きな上昇トレンドの後、利益確定の売りが入り、そのあとまた上昇するんだけど、
小さな波で上昇の勢いが弱く、急落したり、不安定になることがよくありますよね。
この段階がダウ理論の利食い期でエリオット波動の第5波になります。
クエスチョン
さてここで問題です。
上昇トレンドで上昇波にあたるエリオット波動の第1波、第3波、第5波ですが、トレードして勝ちやすいのはどの波でしょうか。
えーっ、上昇なんだからどれも同じじゃないの?
と思われた方! 残念ですが、不正解です。
正解はずばりエリオット波動の第3波です。
第3波は相場参加者の多くが上がると思って買いエントリーしています。
まだ積極的に利食いする人も少ないため、上昇しやすいです。
勝ちやすく、利を伸ばしやすい段階なのでよく覚えておきましょう。
ダメな波
第1波(先行期)はその前の下降トレンドの最終段階とかぶっています。
まだ本当に上昇するかわからないカオス的状況にあります。
実際にはさらに下落する可能性をはらんでいるので、特に初心者の人は手を出してはダメな波です。
「今週のFX狙い目」ブログ記事で時々、安値切り上げを確認してのN字上昇を狙っていますが、これは第1波のカオスにできる限り巻き込まれないためのものですよ。
第5波(利食い期)は上昇の最終局面で、どこが上限なのかを判断できる中級以上の人はトレード可能ですが、やはり初心者にとっては避けた方が無難です。
上昇第5波の後は下降第1波が来ます。
下降第2波は上昇となりますが、第5波の高値を超える確度は低くなります。
下降第2波の上昇を狙うと、下降第3波の餌食になりますので注意してください。
相場格言で「アタマとシッポはくれてやれ」というものがあります。
理想的には最安値で買って最高値で売るのがよいのですが、上昇相場の第1波と第5波はもみ合いを多く含んで分かりにくいことが多いです。
アタマ(第1波)とシッポ(第5波)は他人にくれてやり、おいしい身(第3波)だけを狙いにいくというのは一理あるのです。
どこが第3波なのか
大きな問題です。
そこで登場するのが
⑥トレンドは明確な転換シグナルが発生するまで継続する
ということですが、この内容については次回の講座にまわしたいと思います。
今日は少し難しい話をしましたので、しっかりと復習しておいてください。
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