FXで勝てないのはなぜ?
FXで勝てないのはなぜ?
第1回の内容は理解いただけたでしょうか。
復習しておきましょう。
●資金管理は一番大事!
●追いかけたい価格の動きに合わせて持つ通貨数を変更する
・大きく追いかけたいときは小さな通貨数
・小さく追いかけるだけなら大きな通貨数
●1日で資金の2%負けたら決済して損を確定し、その日のトレードはおしまいにする。
でしたね。
宿題はできたでしょうか。
第1回でも少しだけ書きましたが、本能からくる行動はFXトレードにとってとても厄介なものです。
それは
損を認めるがイヤ! 利は小さくてもいいから早く欲しい。
というものです。
損失を認めるのがイヤ → 損失が大きくなります → 損大
利は小さくてもいいから早く欲しい → 利小
二つ合わせて「損大利小!」
あれっ、おかしいなと思いませんか?
「損小利大」なら、なんとなく聞いたことがある方も多いんではないでしょうか。
FXは損小利大をこころがける
FXは「損小利大」にならないとトータルで勝ちにくいのです。
それなのに本能にしたがって行動すると「損大利小」になってしまうのです。
「損大利小」でトータルで勝つことは難しいです。
でも本能に逆らうってたいへんなんです。
お酒の誘惑、甘いものの誘惑なんて逆らうのは難しいですよね。
空腹、睡魔なんて逆らいようがありません。
第1回でお話しました。
「FXは買うか、売るかの2択、相場が上がるも下がるも5分5分」
覚えていますか?
利益が出るか、損をするかどちらも50%なのに、1回で損する金額が1回で利益になる金額より多かったらどうなるでしょうか。
FXトレードをすればするほど損が増えます。
はい。勝てません。
FXはチャートを見ることに慣れてくると、これは目先上がりそうだなとか、少しわかるようになります。
それでも60%とか、よほど相場がわかりやすくて70~80%くらいの確率です。
仮に60%が勝ちで1回あたり1000円の利益、40%が負けで1回あたり2000円の損すると、
1000円 × 6回 - 2000円 × 4回 = -2000円
10回トレードしてトータルでマイナス2000円となります。
FXをやっててそこそこ経験もあるのに勝てていない人はこのあたりに原因があると思います。
そして本能の影響はさらに深い、心の奥底までやってきて、大きな損の原因となります。
いわゆる「コツコツドカン」です。
コツコツ勝って、ドカンと負けるアレです。
FXで勝てない原因の一つ コツコツドカン
FXをやったことのある人のほとんどが経験していると思います。
コツコツドカンも「損大利小」でトータルでは勝つことができません。
本能は「損を認めるがイヤ!」なのですが、
ドカンは「損を認めるのが絶対イヤ!」というわがままが爆発した状態です。
でも相場はそんなわがままを許してくれません。
損切りしないとどんどん損失が膨らみます。
プラス0.1円、0.2円でコツコツ勝っていたところに一挙にマイナス1円、2円が押し寄せます。
本能はここでも威力を発揮します。
ズバリ! 損失に耐える能力です。
ちょっと待てば反対に方向に動いて、損失を減らせるという淡い期待のもとに膨らむ損失に耐える事ができるのです。
最初に頭では思っていた損切ラインまで来ると、もう少しねばれば反転するかもと損切ラインをずらし続け、損切をしないのです。
しかも、とっても我慢強く、全資産の大半が損を確定させない含み損になっても耐え続けます。
損失はもう見たくないほどの金額になっているので見ません。
そしてついにはシステム側で強制決済となり、トレードが終わります。
利益が出ている時の本能
反対に利益が出ていたらどうでしょうか?
普段はプラス0.1円、0.2円でコツコツ勝っているところ、たまたまプラス0.5円まで来たとします。
本能はもう気が気じゃありません。
積み上がってきた利益が反対方向に動き出して少なくなってしまったらどうしようと考えます。
利益が積み重なっていくことには我慢ができないのです。
そこで本能は「早く利確せよ」と指令を出しますので、本当ならプラス1円、2円となる大相場で、0.5円を取っただけということになるのです。
本能に従えば、コツコツ勝ってドカンと負けることは簡単なのに、コツコツ負けてドカンと勝つことはとても難しいのです。
このような人の本能は心理学の世界で「プロスペクト理論」といわれており、実証実験でも正しいことが示されています。
FXトレードで勝ちたい人は、そのような人の本能からくる行動を理解し、
「損失に耐えないで、理性で最初に決めた価格で損切りしないとダメだよね。」
「理性で最初に決めた価格までポジションをキープして目標とした利益がとれるまで我慢しないとダメだよね。」
と常に言い聞かせる必要があるのです。
今週のまとめ
・人の本能からくる行動はFXトレードにとって厄介です。
・損をするのがイヤで損切を先延ばしにする行動は本能からくるもの。
・利益がでると早く利確したくなるのも本能からくるもの。
・本能に従ってトレードすると損大利小になりトータルで勝てない。
ということになります。
本能に流されないでトレードするのは実はたいへんなことなんです。
そのためには体調もしっかりと保つことが大切です。
疲れている時、眠い時、嫌なことがあった時、お酒を飲んでいる時などは本能に負けやすいので注意しましょうね。
今週の宿題
①最初に決めた損切は必ず守る。(1度でも先延ばしすると、2度、3度引きのばして損失が膨らみます)
②注文時に損切注文も付けておく。
③最初に決めた利確ポイントまでポジションをキープする。(自信が無い時は控えめな利確ポイントでよいですが、利確金額>=損切金額となるようにしてください)
※デモ口座でもOKです。
次回は「確率で勝つという理解」です。
トータルで勝つためには1回のトレード結果にこだわってはいけません。
どんなに上がる可能性が高いパターンでも下がることはあります。
相場は予測できず何事も起こりうることを認識することが必要です。
100%上がるパターンはありませんので、優位性の高いパターンでも最初に決めた損切位置まで来たら、必ず損切決済して、次の優位性を待たなければなりません。
そのためには確率で勝つという理解が必要なのです。
FXで勝つためには必須の理解ですので掘り下げてお話していきたいと思います。お楽しみに。
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