FXを始める前、始めてから感じるいくつかの疑問に独断と偏見で回答するQ&Aをまとめてみました。
【FXを始める前の疑問】
Q<FXはギャンブルと同じですか?>
A : FXは誰かが勝てば、同じだけ誰かが負けること、買いか、売りかの2択であるためギャンブル的なところがあると思います。
また手持ちのお金(資金)を元に大きなお金を取引するため、資金の大半を投入するようなトレードをすると、資金が大幅に増えたり、全資金を失ったりすることもあり、ギャンブルと同じになってしまいます。
しかし、FXトレードで勝率を上げるための勉強をして、資金に対して余裕を持ったトレードをする、損を限定する(損切りする)といった資金管理を行えば、お金を増やす投資として成り立つのです。
Q<ほとんどの人が勝てないと言われていますが、初心者でも勝つことはできるのでしょうか?>
A : FXトレードを始めたいと思う人は、FXの何に魅力を感じるのでしょうか。それは短期に資産を増やせる可能性があるからだと思います。FXの宣伝で3万円を100万円あるいはそれ以上に増やすような広告がありますが、大きく増やそうとすると大きなリスクをともないます。
初心者は勝ちたい気持ちが先走り、負けを認めたくない気持ちから、損切りが遅れてリスクを真正面から受けてしまいがちです。それではなかなか勝てません。まずは3万円を1年掛けて4万円、5万円に増やすイメージを持って、特に損を限定する(損切りする)資金管理を行えば初心者でも勝つことができるようになると思います。
是非、私の日々のブログ「トレード根拠」を参考にしてください。
Q<1年で資金が10倍とか勝てますか?>
A : 私は2009年にFXを始めました。全体的にわかりやすいトレンド相場が多かったため、1年目で5万円を約80万円まで16倍に増やすことができ、確定申告もしました。しかしながら、翌年はエントリーと反対方向に相場が動くことが多くなり、約30万円まで減らしてしまいました。
相場との相性がよく、資金の大半を使ってエントリーするような大きなリスクを負うトレードをすれば、資金を10倍にするチャンスはあると思います。しかし、そのようなトレードは資金を全て失うこともあり、精神的なプレッシャーもハンパないのでおすすめできません。
Q<FXを始めるのに最低どれくらいの資金が必要ですか?>
A : リアル口座で1000通貨(ドルなら1000ドル)のトレードするためにお金は約3000~5000円です。資金としては最低3万円くらいがよいと思います。まずはデモ口座を開設し実際のお金を使わないトレードを体験することをおすすめします。
Q<FXを始めるために必要なことは何ですか?>
A : 実際のお金を使ってトレードするためにはFXを取り扱っている証券会社などで、取引口座を開設する必要があります。住民票など本人確認できる書類の提出が必要となりますが、詳細は申し込みするFX会社の口座開設のページで確認してください。
もちろん、パソコン、タブレット、スマートフォンなどインターネットに接続できる機器も必要です。デモトレードなら氏名、電話番号、メールアドレスなど簡単な登録だけで始めることができます。パソコン用の説明ですが、MT4のインストール方法を参考にしてください。
Q<FX会社はどこを選べば良いでしょうか?>
A : はじめは国内のFX会社から選んでください。1000通貨以下から取引可能な外為ジャパン、SBIFXトレード証券、FXTF、楽天証券などがよいと思います。FX会社についてのページも参考にしてみてください。
【FXを始めてから感じる疑問】
Q<なかなか勝てないのですがどうしたら良いでしょうか?>
A : トレードするための自分のルールを決めていますか? 資金管理とエントリー、決済のルールです。資金管理のルールとは、トレードする数量、1日あたりの損失上限などです。エントリー、決済のルールとは、チャートがこのような条件のときにエントリーする、決済するということを決めることです。
資金管理のルールを設定しないと損失を限定できないため、大きく負けることが発生します。ルールを決めないでなんとなく、その時の思いつきでトレードすると、どのような条件で勝率が高いかわからなくなるため、勝ったり、負けたりを繰り返します。ルールを決めたら必ず守り、例外は認めないでください。
ルールが守れるようになったら、より勝率の高い条件を探して、その条件が整った時だけトレードするようにしてください。勝率の高い条件でも負けることはあるので、損切りの条件にひっかかったら必ず決済してください。そうすれば月単位では勝てるようになると思います。
是非、私の日々のブログ「トレード根拠」を参考にしてください。
Q<デモトレードしてみたら1週間で資金が1.5倍になりました。才能があるのでしょうか?>
A : 才能がある可能性はあると思います。しかし、1週間で1.5倍になるようなトレードは、よほど大きな出来事があり、その変動にうまく乗ることができたか、資金の大半を投入するような高いリスクを負ってトレードをしているかのどちらかだと思います。後者の場合だと、才能があっても全資産を失うリスクが付きまといます。
デモトレードは本物のお金を投資しているわけではないので、かなりリスクの高いトレードをしても精神的な不安がありませんが、リアル口座だと精神的なプレッシャーが高くなり、健康にも悪いです。大きく勝ちたい気持ちはわかりますが、リアル口座でトレードをする時は、無理をしない資金管理のルールを設定してトレードしてください。
Q<レンジ相場が苦手です。どのようにトレードしたらよいのでしょうか?>
A : トレンド相場とレンジ相場では、トレードルールが異なります。トレンド相場では、順張り(トレンド方向に動いた時に利益の出るエントリーをすること)が基本ですが、レンジ相場では、逆張り(トレンドと反対方向に動いた時に利益の出るエントリーをすること)のような形で、レンジ上限付近から下限付近、レンジ下限付近から上限付近までの反転を狙うトレードとなります。
またおよそ30%の確率で、レンジ上限を上抜けする、またはレンジ下限を下抜けするレンジブレイクが発生します。レンジブレイクした時は値動きに勢いがつくことが多いのですぐに損切りしなければ大きな損失につながります。そのようなことに注意してトレードしてみてください。
Q<資金管理はどのようにしたらよいでしょうか?>
A : 損失を限定するためのルールを設定し、そのルールを必ず守ることです。
・1回あたりのエントリー数量を限定すること
(証拠金維持率は500%以上をキープすることが望ましいと思います)
・トレード1回あたりの損失を限定すること
(損切りルールはいろいろ考えられますが、金額でも明確にしておきましょう)
・1日当たりの損失も限定すること
(ベテラントレーダーでも負けトレードが続くことはありますので、損失が上限に達した場合は、その日のトレードを終了して日を改めましょう。損失上限は資金の1~3%に設定するのがよいと思います)
が重要だと思います。いかに勝つかよりも、いかに負けないかが大切です。
Q<利益が出たら確定申告が必要ですか?>
A : FX取引による収益は「雑所得」という扱いになります。給与をもらっている会社員の場合、1月1日から同じ年の12月31日までのFX所得が20万円以下で、給与以外の所得が無い場合は確定申告は不要です。
FX所得とは、実際のFX取引収益から必要経費を差し引いたものです。FX取引専用にタブレットを買ったり、その通信料、ツール購入費用、セミナー参加費用、書籍購入などは必要経費として認められますので領収証は保存しておきましょう。
合算される所得とは、アフィリエイト収入、インターネットオークションでの売買益、先物取引での収益、株の譲渡所得、不動産賃貸収入なども含まれますので注意しましょう。
国内FX会社で取引して所得があった場合、税金は申告分離課税といって、給与など他の所得とは切り離して申告することができます。株の譲渡所得(株売買の損益)など他の金融商品取引と合算することが可能で、損失があればその分をマイナスで計算できます。
2013年1月1日から2037年12月31日までの25年間の税率は「一律20.315%」(所得税15%+復興特別所得税0.315%+住民税5%)となります。
海外FX会社で取引して所得があった場合、税金は総合課税といって、給与など他の所得と合算した金額で税率が決まります。アフィリエイト収入なども総合課税対象ですね。
FX所得だけなら比較的簡単ですが、いろいろな所得があると計算が複雑になる場合もあるので、よくわからない場合は、税理士事務所か税務署に相談してみてください。